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2010年5月

針葉樹VS広葉樹 

おはようございます。

卓球の世界選手権大会団体で、日本勢のメダルが確定しましたね。

かつては卓球をやっていた時期もあるので、何か嬉しいニュースです。

選手たちの素晴らしいプレーを支えるラケットも、単純な合板からカーボン素材へと進化を遂げています。結局のところは、個々人の好みにはなると思うのですが…

使用される素材は詳しく見ないと分かりませんが、ヒノキを代表とする針葉樹や、手触りの良いビーチ(ブナ)などが多いようです。

針葉樹・広葉樹は、立木の状態なら一目瞭然でしょう。

これが板に加工されたとき、どう違うのかご存知でしょうか?

針葉樹・広葉樹の一番の違いは、導管の有無です。

広葉樹には導管があり、針葉樹にはありません(?)。

でも、針葉樹も生育してますよね。

木材を構成する組織には、導管・仮導管・柔細胞・樹脂道・真生木繊維があります。

それぞれの簡単な説明です。

導管・・・水分の通導

仮導管・・・水分の通洞と樹体を支える構造体

真生木繊維・・・樹体を支える構造体

柔細胞・・・養分の通導・貯蔵。方向により、軸方向柔細胞・放射柔細胞(放射組織)。

樹脂道・・・樹脂分の通導

このうち、針葉樹はそのほとんどが仮導管により構成されます。

広葉樹では、進化の過程で導管と真生木繊維に分化したと考えられています。

このように、針葉樹は組織が単純であるのに対し、広葉樹は複雑です。

ですので、針葉樹は比較的通直な木理(組織の配列)ですが、広葉樹ではそうはいきません。

割り箸を想像してみてください。

すんなりと真っ直ぐ割れるのが針葉樹、途中で曲がったり上手く割れないのが広葉樹といったところでしょうか。

人はこのことを経験から知っていて、古代の建築遺跡の多くは、割裂性の良い針葉樹が使われています。

刃物の無い時代、真っ直ぐに割れる針葉樹はクサビでの加工に向いていたのでしょうね。

組織の分化によって、広葉樹は強度を手に入れました。

針葉樹を軟材、広葉樹を硬材と呼んだりするのはこのためです。

今回は組織の違いを見てきました。

まだまだ奥深いので、もう少し木材ネタを続けてみようと思います。

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木材の特徴

最近、急に暑くなりました。ちょっとしんどいですね。

まだ体が暑さになれていないうえ、朝夕の気温差もあります。

考えてみれば、ここ数百年は同じような気象条件だったのでしょうが、人間だけちょこっとわがままになって、空調の利便性に頼りすぎているような気もします。

四季の移ろいに身を委ねる、そんな感性も持っていたいものです。

日本の家は、夏を旨とせよ。

木質・漆喰で引き戸によって間を仕切る建築様式は、まさに夏を主にしたものです。

自然素材をふんだんに使った調湿作用に優れた室内。

緩い部屋の区切りは連続性を持ち、涼風が吹き抜けるのに適しています。

中でも、構造材にしながら特有の空間美を演出する木材には、何か安心感を与えられます。

建築基準法の改正にみられるように、今建築の分野でも木材が見直されています。

木材の特徴として、強度・調湿性・音響性・断熱性・視覚性・吸着能・肌触り等に優れている点が挙げられます。

これらの性能を生み出しているのは、木材の多腔質な構造です。

つまり、スポンジ状に組織が集まって、木材はできているのです。

広葉樹・針葉樹で組織の構成は違いますが、大まかな役割として二つあります。

それは、樹体をさせることと水分・養分の通導を行うことです。

簡単にいえば、ストローを束ねたようなものです。

ここで考えなければならないのは、木材の組織の配列です。

樹木はご存知のとおり、一年ごとに年輪を形成しながら、外へ向かって肥大成長します。

丸太の中心を通る放射断面(みかん割り)には柾目、接線方向に切れば板目が材面に出ます。

そして、長さ方向(軸方向)・板目・柾目では、強度や収縮に差があります。

これを、木材の「異方性」といいます。

軸方向における圧縮への強度が、重量比では鉄よりも木材のほうが大きいのはご存知でしょうか?

特徴としてあげた強度は、この中空な組織と配列が大きく関係します。

丸いホースを想像してみてください。

あれだけフニャフニャなので横から押せば潰れますが、長さ方向にはかなりの力を加なければ縮めるのが難しいですね。

横からの加重も、年輪に直角に加えた場合とそうでない時では強度に差が出ます。

野球の木製のバットには、打撃面に印がしてあります。

あれこそは、強度的に強い年輪方向に使用するための目印なのです。

今度、試しに見てみてください。

断熱性や音響に優れるのも、空隙のおかげです。

隙間に空気を含んでいるので、熱が伝わりにくいのです。

金属や樹脂などの硬質な素材は、触るとひやっとしますね。

これは、表面に触れた瞬間、皮膚から体温を奪われるので冷たく感じるのです。

木材に触れても暖かさを感じるのは、熱が伝わりづらいからなのです。

吸着性については、炭に代表される脱臭剤がそのまま答えですね。

さらに、間隙に微生物が住み着くので、環境浄化に役立つ例もあります。

自然な暖色系の色合いや、不規則な揺らぎの木目のテクスチャーは目にも優しく、リラックス効果も認められています。

なんだかいい事尽くめのような木材ですが、自然素材ならではの欠点もあります。

それは、腐食・収縮(狂い)・可燃であることです。

腐食は木材の製材部位や樹種にもよるので、屋外等の過酷な湿潤環境でなければ対応は可能です。あわせて、虫害に対する注意は必要でしょう。

収縮も乾燥をしっかりすればある程度抑えられますし、それを見込んだ使い方をするのが職人ですので使い方しだいです。

最後の可燃である点も研究が進み、薬剤や化学処理によって不燃・難燃化された木材が公共スペースでは広く使われています。

大型建築などでは大断面集成材による燃え代設計が主流です。

これは、表面が炭になる(炭化する)ことで木材内部への断熱材の役割を果たすのを見込んで、その分を構造計算より大きく設計する手法です。

技術や科学の進歩により、身近なものからスーパーウッドまで、幅広く使われるようになった木材。

次回はもう少し踏み込んだ視点で、木材を見てみたいと思います。

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森林施行の意義

前回は森林の更新について見てきました。

樹種や環境は勿論、どういう森に仕立てるのか、目標である“最終林形”により更新方法にも違いがあります。

では、実際の育林作業としてはどのようなものがあるのでしょうか。

今回は、森林施行について取り上げたいと思います。

人工林では、多く皆伐方式が取られます。

一斉に苗を植える事で、管理を画一化できるメリットがあることはすでにご紹介しました。

皆伐跡地にはとうぜん切り株が残りますし、邪魔になる岩などもあるかもしれません。

まずは、植栽前に整地する事が必要で、この作業を「地拵え」といいます。

放置された皆伐跡地では、草本だけでなく低木なども入り込んでいる事もあるので、こういった植物を除くことも併せて行われます。

地拵えの次は、植栽の後で育林作業が行われます。1ha当たり3,000本が平均といわれます。

まだ稚樹の段階では、他の植物との競争に負けてしまうので刈り払う必要があります。

初夏の頃から始まる「下刈り」です。

下刈りは、保育のために行われる作業で、草だけではなく他の低木も一緒に切ります。

農業のほうで行われる雑木林の下草刈りとは違うので注意が必要です。

下刈りと一緒に「蔓切り」も必要です。

下刈りの方は、ある程度大きくなって被陰の影響が無くなれば良いのですが、蔓切りは成木になっても引き続き行われます。

文字通り蔓植物を切るのですが、なぜ必要なのでしょうか。

蔓植物は幹を伝って樹冠部で展開し、樹木を被陰します。

成長に伴って蔓も太さを増し、樹木を締め付けて生育を阻害し、ひどい時は枯死に追いやります。

さらに、樹冠部に絡みつくので重心が高くなると共に、雪などが積もりやすくなり倒木の被害を引き起こします。

自然林では、蔓植物が老木を間引いてギャップを生み出し、更新を促します。

ですが、林業にとっては厄介者で、藤などは初夏の彩りながら、手入れの悪い林の証拠とも言われます。

この辺の「目的による立場の違い」は、インタープリテーションの一つのポイントだと思います。

ある程度大きくなったら、「枝打ち」を始めます。

枝打ちの目的は、大きく二つあります。

一つは、節の無い木材を生産するため。

木材の節は、枝の脱落痕を組織の成長によって巻き込む事により生じます。

材中の節は美観だけでなく強度も損ねる事があり、早めに枝を落とすことで芯に近い段階で隠し、材面に出にくくする効果があります。

二つ目は、木を下()から上()まで同じ太さで育てるため。

当然、枝には葉が茂っており、光合成によって成長を司っています。

ということは、その部分の成長が良くなります。

下のほうまで枝があると元のほうの成長が早くなり、元と末の直径が違う「うらごけ()」材となります。

こういった材は扱いづらく、材の価値が下がります。

ですので、樹冠の1/3程を残して枝を落とし、成長を抑制するのです。

人工林では、苗木を1ha辺り3,000本程度植栽するのが一般的です。

これは、成長を押さえて年輪巾の狭い緻密な材を生産するのと、風雪害の対策のためです。

ですが、成長に伴って林内が込み合うと、競争が始まります。

その前に、劣勢木を間引く「間伐」を行う必要があります。

間伐は植林木について行うものです。

下刈りの後に伸びてきて植林木の生育を邪魔する天然性の樹木を含めて、形質の悪い植栽木も切るのは「除伐」といい、区別されます。

始めの間伐が15年ぐらい、後は10年ごとに二回目・三回目という具合に、成長を見ながら間伐していき、最終的な材として伐り出す「主伐」に向けて木を、林を育てていくのです。

現在は、主伐の時期を長くする長伐期林業が推奨されつつあります。

これは、生態系と土壌の維持を目的としたもので、あわせて複層林として持続可能な生産が目指されています。

このように、木を育てるのは途方も無い年月と多くの手間がかかります。

ですが、木材価格の低迷や輸入材との競争により、国産材の需要が伸び悩んでいます。

戦後の復興期、政府主導の“拡大造林”によって植えられた人工林が全国にありますが、その大半が零細林家であり、経済的な理由から手入れが行き届かなかったり、放

置される森林も少なくありません。

市民の手による間伐をはじめとするボランティアによる施行も盛んですが、限界があるのも事実。

抜本的な解決策は無いのが現状です。

だからこそ、現場である山に実際入り、自分で感じること。

考えて行動に移すことが求められているのではないでしょうか。

森林インストラクターを目指した強い思いの一つとして、これからも持ち続け、活動していきたいと思います。

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新参者です。

先日、森林施業の技術講習へ行きました。

私の所属する森林インストラクター東京会(FIT)の行う研修会です。

鳩ノ巣の森は私有林ですが、所有される方のご好意で「多摩の森・大自然塾」」事業のフィールドとして利用させていただいております。

これは、主催が森づくりフォーラム・事務局をJUON NETWORKが行い、運営スタッフはJUONにFITのメンバーを加え、さらに他のエリアで活動されている方等を交えて活動しています。

毎月第三日曜日には、一般参加者を募って市民の手による森作りを行っています。

そんな多くの方の手を経た鳩ノ巣フィールドだからこそ、研修の場として提供していただける事をまずは胸に留めておきたいと思います。

午前中はフィールド案内。インストラクターとして森林に入る心得を学びました。

常にインタープリターの目で植物や植生・環境を「観る」ことと同時に、知識を得たら自分なりに解釈・必要に応じた確認を取る事も大切です。

午後からは実際に技術を指導していただき、鉈の使い方をはじめ、基本となるロープワーク、鋸の挽き方、材の運搬を行いました。

刃物に関しては、自分の体の中心であるへその位置が重要で、鋸にしても鉈にしてもへその前で使用するように指導を受けました。

特に鉈は、無理のある体制では自分の足に振り下ろす危険があるので、注意が必要です。

足場・作業する台、そしてもし手が滑っても大丈夫なように周囲を確認する事。

基本を学び実践する事が、安全な作業の第一歩であり作業の鉄則である事を学びました。

材の運搬は、前後に分かれて行います。

声をかける側は意思の疎通をしっかり取るために、的確かつ明確な指示を求められます。

同時に、お互いの状況を確認しながら安全を確保する事が重要です。

ロープを使うので、余った部分が足に絡まる恐れもあるのでこちらも注意が必要です。

自分のあんぜんは勿論、相手との意思の疎通や周囲の安全確認が大切なのだと実感しました。

まだ今は参加者ですが、いずれは指導する側になって山に恩を返せたらと思います。

とはいえ、参加するのは「100年の森作り」。

じっくり焦らず、一歩一歩。

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森林の更新

前回は森林とCO2の関連についてとりあげました。

貯留庫として残す自然林と、更新していくべき森林がある事はお分かりいただけたと思います。

今回は、その森林の更新について見ていきましょう。

天然林でも人工林でも、木を利用するためには伐採が必要で、その跡に新たな林木を育てる必要があります。

これが更新ですね。

更新にも幾つか種類があり、気象・地形といった環境要因や更新樹種、育てようとする森林の形態によって適したものが採用されるようです。

大きくは、人工更新と天然更新に分かれます。

では、一つ一つ見ていきましょう。

人工更新

字のごとく、人の手による更新です。苗木や挿し木による「植え付け法」と林地に直接種子を蒔く「直播き法」があります。

人工更新の大きな特徴として樹種を選べることがあります、

林業では、適地適木を表す際に「尾根マツ沢スギ中ヒノキ」という言葉が良く使われます。

尾根には乾燥に強いマツ、沢筋には湿潤で肥沃な土壌を好むスギ、その中間をとれるヒノキを中腹に植えると良い事が経験で語り継がれたものです。

針葉樹では、スギ・ヒノキを筆頭に、アカマツ・カラマツ・トドマツ・エゾマツ・ヒバ等が植えられます。

広葉樹も、カシ類・ナラ類・ケヤキ・クヌギ・ブナ等の事例がありますが、針葉樹に比べるとまだ定着が遅れています。

天然更新

次に天然更新ですが、こちらは人が地表面の整備や切り株の萌芽等を利用しながら、自然の力による更新を促すものです。

大きく有性繁殖・無性繁殖に分かれます

有性生殖

種子による更新である点は人工更新と同じですが、違うのはそれが自然のものである点です。

さらに、二つの方法がありますが、樹種の性質によってその森林の扱いが大きく異なるので注意が必要です。

側方下種法=皆伐天然下種更新法

皆伐により裸地を作り、隣接する林分(隣の林)から飛散する種子の発芽によって更新する方法です。

条件は二つあり、一つ目は陽樹であること、もう一つは種子が軽い事です。

拉致に適応したパイオニアであり、かつ風によって種子を散布する樹種に有効な更新方法です。

上方下種更新法=母樹法・漸伐作業法

種子を落とす親木である母樹を残して伐採し、発芽を促す方法です。

種子が重く、かつ母樹の被陰にも耐えうる陰樹向きの方法です。

無性生殖

クローンですが、天然更新ですので、挿し木以外の自然状態でのクローンに何があるか思い浮かぶでしょうか。

形態は二つ。ヒントは、崩壊地や多雪地帯に見られます。

萌芽更新法

切り株からの“ひこばえ”を育てて更新する方法で、伐期が短く小径で仕立てるパルプ材・薪炭材やしいたけのほだ木等の広葉樹で行われます。

伏条更新法

東北・甲信越や高山など、雪の重みで下枝が地面に付いたところから根が出て、新しい個体になる事があります。

これを「伏条」といい、スギやヒバに見られる更新方法です。

このように、人工・天然の別や有性・無性によっていくつかの更新方法があり、その場の条件によって決められています。

同時に、森林は親子三代。孫の代でようやく成立するのだということを忘れてはなりません。

更新方法の選択は、将来的なビジョンに基づいた森作りのスタートだともいえるのです。

特に天然更新では、慎重な調査・計画が必要でしょう。

森と人、共に生きる道は無いのか?

木を見て森も見る。

様々なイベントで、そんなご案内をできるよう修行中です。

森林インストラクターは、受かってからが本当の勉強なんですね。

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森林とCO2

大型連休も終わり、五月も半分を過ぎようとしています。

もうすぐ、森林インストラクター試験の受験申し込みが始まります。

このブログをご覧の中にも、合格を目指して勉強されている方がいらっしゃるかもしれませんね。

思いつくままの更新で、話題のバランスに偏りもあると思いますが、いちおう夏過ぎには一通りの分野には触れていこうと思っています。

もっとも、予定はまだありませんが…

トヨタが黒字回復し、話題を集めています。

リコールの爪痕はまだ残るかもしれませんが、エコカー減税はじめ各国の販促政策が影響したそうです。

CO2ビジネスは、まだまだ元気そうです。

二酸化炭素といえば、森林とは切っても切り離せない関係にあります。

どんな時も何がしかの形で伝えていく役割を、森林インストラクターは担っていると言ってもよいでしょう。

実際のところ、森林は二酸化炭素を吸収するのか?

この問いへの答えは、イエスでありノーでもあります。

なぜなら、森もまた生き物だからです。

植物は、二酸化炭素を吸収して光合成により有機物を生産することで成長します。

同時に、生命を維持するために呼吸によってCO2を吐き出します。

この、総光合成量(CO2吸収量)から呼吸量を引いたものを純生産量と呼びます。

ここで考えなければいけないのは、森林内の有機物の“循環”です。

生産者によって生産される枝葉や樹幹(有機物)は、食べられたり枯死等による脱落により、最終的には分解者が無機物として土に還します。

この菌類による分解の過程で、CO2が放出されているのです。

こうしてみると、森林の炭素の収支は、現存する植物の増加分であることがわかります。

式にするなら、

 

 純生産量-被食量-枯死量=現存増加量

となります。

では、現存増加量の多い森林とはどんなものでしょうか。

成熟した森林では、毎年の成長と同じぐらい枯死するものがあり、全体としてバランスが取れています。言い換えれば、生産により大気より取り込まれるのと同量の炭素がまた大気に放出されるので、差し引き0になります。

若い森林ではどうでしょう。

こちらは、枯死量よりも成長量のほうが多く、炭素の吸収がよさそうです。

活発であるということは、呼吸量も多いという面もありますが、吸収という面では弱齢林のほうが有利そうです。

ですが、成熟した自然林にはそれまでの膨大な蓄積分があり、炭素の貯留庫としての役割を担っているともいえます。

ですので、成長量=CO2削減という単純な図式は成り立たず、吸収と貯留の両面からトータルした森林のあり方を考えなければなりません。

森林という立木としての存在も重要ですが、実は普段日常で目にする木材にも同じ事がいえます。

木材という形で存在するということは、そこに炭素が固定されているのと同義です。

林内に放置していても、やがては分解されCO2として放出されるのは書いた通りです。

これを伐り出して長い間使い続ける事は、その間炭素を木材という形で維持する事につながります。

勿論、伐採のために森林が破壊され、吸収能や蓄積量を減らすことはあってはならないことです。

伐採には必ず更新が伴うという森林維持の鉄則が守られるのならば、成長量に見合った分を伐採・利用する事は、実は森林にとっても人にとっても良い関係であるのです。

同時に、水保全・土保全等の役割がある事も考えれば、森林を保全・利用する事は人類にとってとても重要な意味を持つのです。

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森林の市

 

5/89の二日間、日比谷公園で「森林の市」が行われました。

林野庁主催のイベントで、市民の皆さんに森林や地方での活動や取り組みを広める事を目的に毎年行われています。

私も、森林インストラクター東京会(FIT)のスタッフとして参加しました。

もしかしたら、お会いしている方もいらっしゃるかおもしれませんね。

FITでは、イベントブースとしてネーチャークラフトの展示販売・体験コーナーを設けました。

その中で、クラフトコーナーにくっついていました。

ぶんぶんゴマ

鉛筆ブローチ

ケムンパ(通称。アカガシの殻斗にゴムを通し、ムクロジの頭をつけたもの。)

製作・体験の指導にあたりました。

クラフトでは、どうしても作る事や遊ぶ楽しさに目を奪われがちです。

勿論、自分で作る事の喜びから、創造性を養ったり道具や手先を使い方を学ぶのは大切な目的です。

さらに、実際に遊んでたのしむことも、愛着から物の大切さを学ぶ良い機会です。

ですが、

森林インストラクターとしてネーチャークラフトを通じて何を伝えるか。

というと、自然素材の素朴さ・温かみに触れて親しむことであったり、そこから生まれる興味を育てたり、「森の案内人」としての役割が加わります。

ちょこっとハードルが上がりましたね(汗;)

そんな指導を受けつつ、触れあいの中から学ぶことの多い二日間でした。

合間を縫って、グルッとまわってみると結構知らない事があるものです。

バオバブの実の実物なんかもありました。実際少し食べてみましたが、なんとも不思議な味でした。

私は、結構好きです。

気になったのが、「生きものマーク」です。

http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kankyo/100331_1.html

これは、農林水産業の営みに関わりながら、豊かな自然環境を創出する取り組みです。

まさに、生物多様性を暮らしの中で実現していこうとする活動だと思います。

その中には、朱鷺などの希少種を目標種に掲げるもの、身近な生物との共生を目指すもの。

さらに、生態系の一部として考え、地域・さらに流域を巻き込んだ取り組みも見られます。

環境に対して、何かできるの?

そんな声への答えの一つになりうるものだと思います。

まずは知る事。興味関心を持ち、学ぶこと。

次に、評価し、活動すること。

さらに、分かち合い、広げること。

血の通った「生活者」としての声こそが、本当の地域の力となる。

そんな大きな流れを感じるこの頃です。

始めは、ほんの小さな声かもしれなくても、確実に自然は応えてくれます。

そんな囁きを“お伝えする”。

それが、「森林インストラクター」として私のできることだと信じています。

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タンポポのつぶやき

沖縄も入梅。皐月に入り、初夏の装いも見られるようになりました。

ついこの間、高尾山で雪中行軍()を行ったのが嘘のようです。

身近なところでも、気温の変化は勿論の事、道端の草などに春を感じられます。

春の花の代表といったら、タンポポ。漢字で蒲公英、ちなみに英語ではdandelion.

荒地に開く大輪の太陽は、まさに雑草魂!

四肢を伸ばすかのようなロゼッタは、日照を効率よく吸収する他、厳しい寒風をやり過ごし踏圧にも耐えるパイオニアの生き方そのものです。

そんなタンポポも、花を終え綿毛を飛ばし始めています。 

春の深まり、初夏の風物詩ですね。

新天地へ向け旅立つ種子も、また同じような開けた場所を選びます。

むしろ、日照が不十分な場所では発芽しません。

競争を避け、あえて厳しい環境に身を置く潔い生き方かもしれません。

のどかな春の風景ですが、実は暗い影を潜めています。

あちこちで、静かな侵略が始まっているのです。

ご存知の方も多いように、海外からやってきたセイヨウタンポポが勢力を拡大しています。

一見同じように見えますが、総苞片の開いて反り返っているのがセイヨウタンポポ、閉じてくっついているのが日本のものです。

外来生物の話題では、よく取り上げられます。

日本のものとの大きな違いは、セイヨウタンポポは自家受粉が可能である点です。

ですので、日本のものは近くに仲間がいなければ種子をつける事ができませんが、セイヨウタンポポは一株でも子孫を残すことができます。

同じ開けた環境を好むので競争の条件は同じですから、繁殖力で

はセイヨウに分があります。

株が増えていくという事は、生息域の問題もあるのですが、ポリネーターが奪われてしまうことも大きな影響を与えます(ポリネーター…受粉を助ける昆虫。送粉者)

ただでさえ繁殖力で劣るうえ、送粉者もいなくなってしまえば手上げです。

、最近研究では、セイヨウタンポポと在来タンポポの雑種が確認されているそうです。

ですので、総苞片の開きだけでは同定できなくなりつつあります。

このまま交配が進めば、在来タンポポの遺伝情報が失われてしまう恐れさえあるのです。

外来生物は、このように種の存続にとって大きな脅威にさえなります。

今年、名古屋で「COP10」が開催されます。

以前にも取り上げましたが、COPは締約国会議の略称です。

数字は開催数を表し、COP1510回目の開催を控える「生物多様性条約」締約国会議を指します。

他にも気候変動枠組み条約(COP15)等があり、国内開催のCOP10と併せて、森林インストラクターはじめ環境系の指導者の方々、また受験を考える方は抑えておきたいものです。

近頃ブームの多様性ですが、生物多様性とは何でしょうか?

簡潔に言うなら、「生物の多様性とそのつながり」といったとこころでしょう。

その中で、大きく三つの“多様性”が挙げられます。

種の多様性

生態系の多様性

環境の多様性

以前二本立てで書いた記事を載せておきますので、参考にしてください。

http://morinohito.cocolog-nifty.com/interpreter/2010/01/cop-d80d.html

http://morinohito.cocolog-nifty.com/interpreter/2010/01/post-4084.html

タンポポひとつで大げさな。

そういう方もいらっしゃるでしょうし、確かにそうかもしれません。

ですが、本当に「タンポポ」一つでしょうか。

タンポポが咲けば、その花に訪れる虫がいて、その虫を食べる虫・鳥…がいます。

もちろん、タンポポがそこにあるために、土地に良い影響があるかも知れないしその逆かもしれません。

タンポポが無くなれば、また違うものがその場を占めることになり、とんでもない事になりうる可能性もあります。

もしかしたら、将来、タンポポから未知の病気の特効薬が見付かるかもしれません。

全てつながりの中にありバランスが取れていること。

無数の可能性が秘められている事。

目先の都合ではなく、そういった広い視野での判断が必要なのだと思います。

「誰かが何処かでどうにかしている。」

様々なシーンで、胸に思い起こしてみてください。

私たちが受けている様々な自然の恵みを、「生態系サービス」と呼びます。

衣食住・環境・文化・医療・産業・経済―みんな自然の恩恵です。

哺乳綱サル目ヒト科、人類だって一動物に過ぎません。

それがちょっと文明を手にしていきがっている間に、地球がえらいことになっていた。

かつて「日本人」を目指した維新志士がいたように、「地球人」を目指す時代が訪れているようです。

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ワサビ田植え付け

連休中日の仕事ですね。

どっちがメイン()やら、気乗りしないような感じですが…

特に最近、休日が“活動日”なので余計に変な感じです。

で、そのお休みの日のできごとです。

昨日は、ワサビを植えてきました。

唐突なのは、このブログのウリです()

森作りの一環として、ワサビ田をされている方のお手伝いです。

なかなか無い機会なので、良い勉強になりました。

苗は天城の青苗。実生だそうです(実生…種から発芽したもの)

まずは根切りから始めます。

ひげ根をあえて切る事で、根の成長が促進されるので活着が良くなります。

1㎝ぐらい残してけっこう大胆に切っていきます。

下拵えをする間、畦の修復・仕上げも行いました。

予め作られた畦を、植え付けに向けさらに高く仕上げます。

ポイントは下流から行う事。養分のある砂を流さないようにする工夫です。

いよいよ畝に苗を植えつけていきます。

着く前に流されてしまわないように、しっかり深めに植えます。

まっすぐではなく、上流側に倒して斜めに植えるよう指導を受けました。

流れに対する為か、根(根茎)の成長を良くする為だと思います。

石交じりの砂利に植え付けるので、畦を崩さないように注意します。

同時に、水が命なので下流へ滞りなく流れるよう配慮が必要です。

成長しやすいよう、20cm感覚で植え付けられた苗は、なかなか綺麗なものです。

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書いてしまえば、これだけです。実際、一時間ちょっとで終わりましたが…

始めに田を作った方々の苦労を思うと、感謝が胸に広がります。

植え付け時期は7月初旬ごろまでで、収穫は翌年の冬。

上下に二枚の田があり、交互に取り入れるそうです。

冬に一度葉を落とし、また春に芽を出して成長を続けます。あのワサビのボツボツは、落とした茎の跡です。

同じ場所に、地元の方のワサビ田がいくつか並んでいます。

そこで、イノシシの被害がありました。

イノシシはワサビ自体を食べるわけではなく、そこにいる沢ガニが目当てで来ます。

とはいえ、カニ欲しさに防護ネットをなぎ倒し、石積みを崩し、苗を踏み荒らし掘り返すと被害は深刻です。

他にも、シカの被害があります。シカはあらゆるものを食べ、農作物はもちろん、植林木の若芽・樹皮や、ワサビも例外ではありません

さらに輪をかけて、カモシカの被害も増えているそうです。

狩猟対象のシカでさえ手を焼くのに(奥多摩の「鹿カレー」が密かなブームです)、天然記念物のカモシカでは手を出すことすらできないのが現状。

実際現場で目にして話を聞くと、深刻さが実感できました。

良い機会ですので、「特用林産物」について触れたいと思います。

特用林産物とは、山林から生産される木材以外のきのこ類・木炭・竹・桐等の産物です。

大きく7種類に分かれます。

燃料…木炭等

樹実類…ギンナン・クルミ・クリ等 

山菜類…フキ・タケノコ・山ウド・ワサビ等

きのこ類…シイタケ・なめこ・えのきだけ・エリンギ等

特用樹類…ミツマタ・コウゾ・桐・竹・ケヤキ・ヤマザクラ(葉・樹皮)―文化財維持のため

薬用植物…マタタビ・オウレン・キハダ等

樹脂…ウルシ・木蝋等

これらは、山村にとっての貴重な収入源になるではなく、生産から加工・流通による職の創出や販売による都市との交流を兼ねた地域振興のとして期待されています。

反面、山菜などは窃盗が後を発ちません。

農作物と同じように栽培されているものは勿論、たとえ山の中にあるものでも、そこが私有地であれば当然所有権が発生します。

自然にあるものと思われがちですが、日本の山林はほとんどが零細地主の私有林や、公的なものでも、国有林野や国定公園など採取に関して厳しい規制が掛かる所がほとんどです。

さらに、新芽をことごとく摘み取る事は、その植物の存続を断つ事と同じです。

たとえ採取可能であっても、その利用にはマナーが求められます。

これから山菜シーズンが始まり、山菜取りによる遭難も増えます。

こうした利用のルールを踏まえたうえで、地域との交流を深めていければ良いですね。

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「緑のオーナー制度」に見る森林施業

今日は「みどりの日」。

元は昭和天皇の誕生日である4/29が平成に移り「みどりの日」に。さらに、2007年以降「昭和の日」と改めた時、5/4に移って今に至ります。

経緯はともあれ、国立公園が無料化になったり各地で自然に親しむイベントが行なわれたりしています。

同時に4/155/14を「緑の月間」と題して、自然に対する関心を高める取り組みが行なわれています。

私も、来る5/85/9に行なわれます“21 森と花の祭典-「みどりの感謝祭」”へFITスタッフとして参加しますので、GW最終日は、自然に親しみに来ていただければと思います。

http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/100412.html

また宣伝になってしまいました()。そんな緑の日に、皮肉なニュースです。

「緑のオーナー制度」で水源林伐採

http://www.asahi.com/national/update/0504/NGY201005040001_01.html

朝日新聞のニュースです。

緑のオーナー制度とは、人工林の管理・育成に必要な費用を出資者(オーナー)に負担していただき、国とオーナーの共有の樹木として育て、契約満了時に販売額を持分に応じて分ける(分収する)制度です。

分収育林制度とも呼ばれ、19841999年度までオーナーの募集が行われていました。

初期の契約分からは単純にもう25年以上。とはいえ、本当に伐採の対象でありうるのか、また皆伐の必要性・妥当性があったのかは正直疑問です。

森林を考える上で、まずその森はどうあるべきなのかを忘れてはなりません。

森林は様々な機能を果たしている上、どれ一つ取っても個別には存在し得ないものばかりです。

生産のための人工林とはいえ、木を育てて売るだけではなく、土砂崩壊を防いでいたり水源涵養の役をしたりと複数の役割を担っています。

もちろん、契約履行のために収益を確保することはもちろんですが、その為に環境を犠牲にするのでは本末転倒です。

抜き伐りをしながら森を「育てて」いくことと、無秩序な伐採によって森を「破壊する」こととは、同じ木を伐るにしても全く違います。

持続可能性(sustainability)が叫ばれる今、複層林・長伐期の森林施業が求められつつあります。

これは、若齢から壮齢まで、複数世代の樹木を森の中に仕立てていくことで常に土壌を守り、かつ収益を挙げながら育林していこうとする施行方法です。

皆伐=一斉林施行には、手間も少なく一度に収益が得られ、後の管理も一様である利点はあります(一斉林=一度に同じ零級の樹木を育てること。単種類を植樹することが多い)

さらに、若齢林の方が二酸化炭素の固定能=成長量も豊富です(その分、呼吸による消費量も多いのですが…)

反面、一時的な裸地化に伴う腐葉土の流出による地力の衰えや、表層土が不安定なため着生しづらくなるといったデメリットも少なくありません。

―経済性と環境・生態系に対する負荷―

さらに、土地ごとの文化・伝統的側面と、森林を取り巻く状況も多様化が進んでいます。

ざっと挙げてしまいましたが、林業についてはまた一つ一つ書きたいと思いますのでここでは簡略しました。

せっかくの「みどりの日」。

良い機会ですので、森林について考えてみるきっかけにしてくだされば幸いです。

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高尾山清掃ハイク-inGW-

おはようございます。

GWも後半、どこかにお出かけになられた方も多い事と思います。

混むのは分かっていても、やっぱり出かけるんですよね…

私も、そんな渋滞にはまってきました。

昨日、高尾山でゴミ拾いハイキングをしてきました。

午前中は日影沢から入って写真撮影、午後からいろはの森~一号路のお馴染みのルートです。

最近、日影沢に通っている状態ですね。その割には、まだまだ知らない事ばかりです。

友人と二人連れ、慣れない図鑑と格闘しながらの観察。

とりあえず撮影がメインとはいえ、まだまだ修行がたりません。

コチャルメルの実

Photo

ムラサキケマン?ヤマエンゴサク?

Photo_2

私はケマンだと思いますが、白いんです…

ラショウモンカズラ

Photo_3

何分、素人同定なので、間違っていたらご指摘お願いします(そ~っと)。

いやー、下手くそですね。でも、接眼レンズが欲しい!?

凝りだすと、キリがありませんね。

ちょっと早めに、キャンプ場で昼食。こちらもテント村です(笑)

ついつい会話にインストラクターの思いが籠もります。

植生・草木の利用と森と人との関わり・林業・植物の生活史・生態系…やっぱり、好きなんですね。

本当に、様々な「切り口」があると実感できました。

ちゃっかり、ネタも用意してあったり。半分、自主研修です(笑)

いろはの森も春盛り。

でも、控えめが好きなんです。

Photo_5

チゴユリが可憐に咲いていました。

われらがビーナスも、春を謳歌しているようです。

Photo_9

やがて一号路、高尾の竹下通りです。

予想通りの人ごみにも負けず、袋片手にゴミ拾いです。

そして渋滞。山の行列、登山者数日本一は伊達じゃ無い!

こりゃ観光地ですね。ゴミも出ますよ。

人の波にもまれ、大海を素手で泳ぐような無為な作業にも思えてきます。

それでも、中には声をかけてくださる方や一緒に拾ってくれた子供と、うれしい事もありました。

「やってみれば、わかる。」

思いは伝わるものだと確信しました。

まだまだ未熟ですが、とてもよい経験ができました。

一緒に歩いてくれた友人に、感謝したいと思います。

応援よろしくお願いします!! 

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Poco a Poco

「フードマイレージ」

という言葉をご存知でしょうか?

昨日の読売新聞で、地産地消への取り組みが取り上げられていました。

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/feature/20100430-OYT8T00195.htm

「食材の重さ×生産地から消費地までの距離」で食費を評価し、搬送による環境への負担を軽減することが目的です。

1994年、イギリスの消費者運動家が提唱し、日本でも浸透しつつあります。

NPO団体「大地を守る会」により、CO2削減の目安として「poco」という単位が作られました。

Poco a Poco イタリア語で“少しずつ”。

食卓から、少しずつでもCO2削減に貢献したい、そんな願いが込められているそうです。

ちなみに、1poco100gの排出量に相当し、輸入品ではなく国産のものを購入することで減らせたCO2量をあらわす単位です。

一次産業の振興のため、国産品の普及が広まる昨今。

食品だけにとどまらず、木材にも視野が広がればと願わずにはいられません。

Jikyuu

上の図を見ると、食卓の変化が想像できます。

人口の増加はもちろんあるでしょうが、食の欧米化や外食産業の成長等も影響していそうです。

なにより、食品のほとんどを輸入に頼っている現状に改めて気付かされます。

Jikyuu2 

先進国の中でも郡を抜く自給率の低さです(右グラフ)

左グラフからは、途上国から食料を買い入れる「食の南北問題」が浮かび上がります。

飽食の影の飢餓、二極化は経済だけにとどまりません。世界は繋がっているのです。

私達が農業を考えるとき、どんな姿を想像するでしょうか。

Jikyuu3

高齢化が進む中、疲弊した農村がそこにはあります。

そんな中、農ギャルを代表する若者の活躍や企業の参入も見られます。

既存のスタイルとの共存は考慮すべきでしょうが、「自立した農業」への脱却が求められています。

Jikyuu4 

同時に、農業にも「多様性」が求められているのがわかります。

環境的価値や文化的側面、景観、保健と公益的価値が見出されるようになっています。

 

農地を点ではなく面として捉え、流域の中での生態系の一部として評価する必要があります。

経済的な振興策として、都市との交流があげられます。

グリーン・ツーリズムに代表される取り組みやU・Iターンに見られる農林業への回帰は、昨今の自然派ブームの追い風もあり活発な動きを見せ始めています。

Jikyuu5

文明の発達から文化の成熟へ。

身近な暮らしの問題である食を見直すことは、環境を考える一歩に相応しいものでしょう。

農林水産省より、自給率向上につながる5つのアクションが提唱されています。

1.「今が旬の食べ物」を選びましょう。

2.地元で取れる食材を、日々の食事に活かしましょう。

3.ご飯を中心に、野菜をたっぷり使ったバランスのよい食事を心がけましょう。

4.食べ残しを減らしましょう。

5.自給率向上を図る様々な取り組みを知り、試し、応援しましょう。

どれも便利さの中に忘れてきた大事な食文化を思わされます。

とはいえ、忙しさや付き合いで外食へ頼らざるを得ないのも事実。

そんな方への朗報として、「緑提燈」の取り組みをお伝えして、今日は終わりたいと思います。

http://midori-chouchin.jp/index.php

気をつけてみると、結構見かけますよ。

グリーンコンシューマー、賢い消費者でありたいものです。

赤提灯にも、エコな時代が到来しています。

応援よろしくお願いします!! 

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