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もう一つの震災復興(其の壱)

今回は番外編。
週末に行いました、被災地ボランティアのリポートです。

私が参加したのは、職場の山岳会に所属している方の紹介です。
「大田区山の会」の皆さんに混ぜていただき、貴重な体験をすることができました。

活動の場は、宮城県石巻市渡波地区。
被害状況は見て取れませんでしたが、床上浸水は免れないであろうと思われました。
実際作業に当たったのは、農地の整備です。
ビニールハウス内の漂流物撤去、被害作物の撤収と地表の整理、ヘドロの撤去を行いました。

6/10(金)
蒲田20:00発、石巻専修大学25:30着。小雨の中天幕設営。
簡単な顔合わせの後、26:30就寝。

6/11(土)
6:00起床。雨の中天幕撤収の後、朝食。7:00出発。
車内より、石巻市街地視察。一見復興が進む町並みも、海に近づくにつれ被害の爪痕が見られる。
未だ手付かずの倒壊家屋には危険表示がされ、ひしゃげた車が放置されている。
崩れた墓石にも増して、無事だった墓にも車打ち上げられ、痛々しい姿を晒していた。

8:00作業現場着、作業内容の説明を受ける。
小雨ではあったが、ハウス内なので気にならない。
むしろ、晴天下での気温を考えると恵まれた天気でのスタートとなった。

まずは被害作物の回収。考えてみれば、全面に植えられた苗には収穫されるはずだった実りがむざむざと廃棄されていく様は見るに耐えないものである。
手間と時間をかけた1シーズンの成果が得られないということが、農家にとってどれだけ深刻であるかは想像に難くない。
むしろ、片付ける暇に何か別の収入を求めるのが普通であるだろう。

蔓延る雑草も共に取り去り、いよいよ本題の表土の浄化にかかる。
津波により打ち寄せられた塩分とともに、表層に溜まった硫化水素をとり除く。
この硫化水素は、化学変化により硫酸に姿を変え、農地は強酸性の不毛の土地と化す。
ヘドロの撤去のもう一つの意味に、知られざる被害の深刻さを感じた。

A            刈り終わった枯れ草と硬くなった表土。心持ち、白く変色している。

表層は、塩分なのか化学変化の影響なのか、硬くなっていた。
硬い層をはつって取り去ると、白く変色した薄い層が現れる。その下が、本来の赤土である。

汚染した表土を取り去り、農地としての復興を果たすのが今回の目的。
土を削っては運び出す、なかなか身に堪える作業が延々と続く。

14:46 一分間の黙祷
― 被災三ヶ月目にあたる今日、それぞれの想い ―

15:00初日の作業終了。道の駅の立寄り湯で汗を流し、一路女川へ。
激甚災害の実態を視察。

B

道の整備以外は復興の兆しはまるで無い。 
人の気配も勿論無い。あまりにも無残な光景に、息をのむばかり。

あたりには霧状の靄がかかり、視界も良くない。

水産加工業の一大基地であった面影が、皮肉にも、瓦礫の中の処理の進まない魚の醗酵に伴う腐臭とガスに象徴されるようになった。

C_3 

海鳥だけが、空に群れ飛ぶ異様な光景。

D_2                      ひしゃげた車も津波のすさまじさを髣髴とさせる

この被害を目の当たりにし、今後ここに住むということができるのか疑問である。
少なくとも一年ぐらいは、人の営みが戻ろうとは思えない。

E                     RC造の建物が横転している。右のほうには杭がぶら下がっている。

報道にさえ見捨てられた被害の大きさを、改めて身に刻む出来事だった。

一路宿へ。地元の公民館にて夕食。

今回のボランティアに参加された京都労山(勤労者山の会)、世話役である宮城労山の方と共に
懇親の場が設けられました。

実際に被災された方の体験談や復興の状況を聞き、改めて被害の深刻さを感じました。

震災当日の津波を捉えた、短編のドキュメンタリー映画も上映され、次の世への警鐘として語り継ぎ、対策を立てることの重要さに気付かされました。

自身大国日本にあり、海岸線を背にする首都東京。
重要な中枢機関の多くが0メートル地域にあるこの街で、他山の石として見られるであろうか。

都市機能が麻痺するときに起こるリスクについて、どれだけの想定がなされているのか。

中越沖・阪神に次ぐ東北での教訓を活かすことこそ、罹災を免れた者の務めではないでしょうか。

夜も更け、眠りに付く方もあり、ささやかな宴もお開きに。
22:00 明日の早起きに向け、就寝。疲れた四肢に、シュラフが心地よい。

~次回に続く~

応援よろしくお願いします

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