コラム

生物多様性の日

今日は「国際生物多様性の日」(International Day for Biological Diversity)。

国連の提唱する国際デーの1つで、1993年(平成5年)、地球上の生物の多様性の保全などを目的とした「生物の多様性に関する条約」が発効したことを記念して設けられました。

生物との共存とその多種多様な利用による恩恵が、絶滅により失われる事を危惧する事に始まり、希少種の取引規制や特定地域の生物種保護を行なう事を取り決めたものです。

キーワードは、「生物資源の持続可能な利用」。

条約の目的として、以下の3点が挙げられています。

(1) 生物多様性の保全

(2) 生物多様性の構成要素の持続可能な利用

(3) 遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分

注目すべきは、種の保存のために生息域の保全を行なうこと(外来生物に対する措置)。

バイオテクノロジーに関する遺伝子の問題を取り上げていること。

また、原住民の権利と資源の公平な分配に触れていることです。

詳細は、外務省HPをご覧ください

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/bio.html#01

昨年話題になったCOP10は、この条約の締約国による会議をさすものです。

改めて、国際間の問題の複雑さが浮き彫りになりました。

生物多様性を考えるとき、この「多様性」に含まれる意味が複数あるために一見ややこしさを感じさせます。

多様性の中に含まれるものとして、

種の多様性・・・色々な種が存在すること

遺伝子の多様性・・・同じ種の中にも、多様な遺伝子が存在すること

生態系の多様性・・・様々な生物が関係しあう環境が多様にあること

環境の多様性・・・森林・草原・河川・干潟・海洋等、生育環境が様々であること

景観の多様性・・・地形と植生の相互作用により、生態系が折り重なってできる地域的なまとまり。山間地域・農村・島嶼等。人の営みによる影響も大きい。

これらの多様性を脅かすものとして、次の三点が挙げられています。

第一の危機―人間活動による生態系の破壊がもたらす種の減少・絶滅

第二の危機―人間の働きかけの減少による影響

第三の危機―外来生物などによる生態系の撹乱 

                              (第三次生物多様性国家戦略による)

一言に自然と言っても、場所や条件によってどうあるべきなのかは違ってきます。

原生状態で推移を見守るもの、自然の状態で現状を維持すべきもの、積極的に人が利用する撹乱によって保たれる環境と、まちまちです。

大切なのはそのひと時ではなく、何年も先を見据え上で人と自然の関わりを考えていくことだと思います。

何気なく動かした石にさえも、環境を大きく揺るがす意味があるのかもしれません。

おごれるものはひさしからず。

自然への敬意を忘れず、良きパートナーとして付き合っていきたいものです。

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みどりの日

なんの捻りもないタイトルですが…

世は大型連休。気候も良くなり、どこかに出かけるにはうってつけです。

私事ながら4月末に引越しがあり、休みとはいえ新居と手続きに掛かりっきりです。

別に罹災した訳ではなく、私情による引越しですのでご心配なく。

震災の余波は色濃くかげを落としていますが、今年は国際森林年であったりします。

これは国連総会によって決議されたもので、世界中の森林の持続可能な経営保全の重要性に対する認識を高めることを目的にするもので、各国に対し積極的な取組や国内委員会の設置が要請されています。

日本も例外ではなく、連休末には「みどりの感謝祭」が例年通り予定されていました。

今年は中止になりましたが…

他にも、様々な取り組みやイベントが予定されており、林野庁HPのイベントスケジュールよりご覧いただけます。

http://www.rinya.maff.go.jp/j/kaigai/2011iyf.html#content_second

では、なぜ今森林なのでしょうか。

森を大切に、とはよく言われますが、実際よくわからないものです。

それは多分、あまりにも広範囲かつ複雑でおまけに目に見えづらいものだからでしょう。

私自身、知り得ることはまだまだ僅かですし、うまくお伝えできるのかわかりません。

ただ、説明するより、素直に感じ分かち合うことならできるのかもしれません。

森林の効用として、水源涵養や土砂流失防備等の機械的なものは良く知られています。

水源税の導入等も進み、直接的に生活の一部となっている例も見られます。

生物多様性に裏打ちされた自然の法則が人々の暮らしを支える生態系サービスという言葉も、徐々に市民権を得つつあります。

子供ですら二酸化炭素削減を口にする今、何が伝えられるのか。

生活から遠ざかってしまった自然との距離をどう取り戻すのか。

震災にあたり、私達は多くの難題を目の当たりにしています。

考えてみれば、あらゆる生物は与えられた条件の中でありのままに暮らし、そこにあるべき環境をあるがままに作り出しています。

自ずから然るから自然。

それ自体に意思はなく、また意味も持ちません。

不幸にして知恵を得た人間が、あれこれと理屈を捏ねているだけなのかもしれません。

食に関わらぬ殺生をするのも、人間くらいなものでしょう。

報復が報復を生む世界。命の繋がり=循環から離れると、同じ種の中でさえ無為な争いが絶えないのでしょうか。

随分話は大きくなりましたが…

ミクロな自宅の片づけから世界規模の問題まで、これまたどこかで繋がっています。

そう、複雑な網目のように。

いわば、自然のもたらす循環の恵みと、人の作り上げた擬似生態系とが複雑に絡み合う世界に、私達は暮らしているのでしょう。

それでも、人は森と共に生きていけると信じています。

戯言になってしまいました。今日はこの辺で。

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暮らしの中で

いまだ続く余震に加え、原発事故による放射性物質漏洩。

気の休まる暇もない状態が続いております。

被災地でも復興の兆しが見られるようになりました。

もちろん、まだライフラインの確立に至らない地域や安否のわからない方々もまだまだいらっしゃいます。

 

ひとときも早く、「暮らし」を取り戻していただければと願うばかりです。

暗いニュースの続く中、桜の便りが届きはじめました。

あまり浮かれるのも何だか気が引けるようですが、こんな時だからこそ、四季の移ろいに耳を澄まし、

春の訪れを喜ぶ気持ちを大事にしたいと思います。

芽生え・開花・誕生・・・体の奥底に眠る命の目覚めに、小躍りしたりしても良いのではないでしょうか。

そう、長い冬が去り、また新しい春がやってきたのですから。

春の目覚めは、寒さの長さに左右されます。

逆に言えば、ある一定の寒さを経験しないと芽吹きのスイッチは入らないのです。

植物とはいえ、妙に人間臭い面すら見られます。

花咲く頃には、その花へ合わせるように虫が訪れます。

また花も、訪れてくれる虫に合わせて、独自の形状へ変化を遂げてきました。

これらの、虫によって受粉を媒介してもらう花を、虫媒花と呼びます。

多くは色彩豊かな華やかさや虫を誘う匂いが特徴です。そして、ご褒美の蜜を用意しています。

一方、蜜を求めて訪れ、結果として受粉を手助けする昆虫を送粉者(ポリネーター)といいます。

どのような花にどんな虫が訪れるのか、またその為に互いにどのような形状進化を遂げたのか。

春の野山を歩くとき、太古のロマンに思いを馳せてみるのも一興です。

自然界の中でも、両者が何がしかの関係にあることはよくあることです。

この虫媒花とポリネーターの関係は、双方に利のある相利関係にあるといえるでしょう。

相利関係にある場合、依存種が少なく特殊であるほど形態に与える影響が大きくなるので、競争に有利な反面、依存種を失ったときのリスクは高くなります。

一つの種の絶滅が引き金となり、次々と滅びの連鎖が起こるのは、こうした理由です。

生殖にまつわるもの以外にも、食う食われる関係や用心棒のようなケース、また植物などに見られる、一体になって栄養を分け合うものなどもあります。

そして、個々の小さな関係が集まることで、さらに大きな括りの中で影響を与え合い、やがて大きなマクロ的環境へと発展していきます。

近頃良く聞く生態系という言葉は、このような自然の摂理を包括的に言い表したもので、その内容はあまりにも深くあまりにも広いものと感じています。

その中で、私達人間はどのような立ち位置で、どのような立場にあるのか。

循環の輪の中からはみ出し、生分解の許容や範疇を許さない物質を生み出してはいないだろうか。

今回の原発事故は、「利便性の代価」について考えさせられるものになるでしょう。

そういう私もまた、文明の恩恵を受けて快適な生活を送るものの一人です。

発展そのものには罪もなく、むしろ賞賛され、歓迎されるべきものであると思います。

必要以上に自重し、萎縮して暮らすこともありません。

日常をしっかりと暮らすことが人の世の流れを良くし、元気な社会には余裕が生まれます。

衣食足りて礼節を知る。

浮世の習いというやつですね。

その上で、やはり自然の一部であることをしっかりと認識して、生態系の・循環の中に生きらるように少しでも貢献できたら。

感謝の気持ちを忘れずに、空の下・大地の上で、しっかりと根を張って生きたい。

そんなことを思う、この頃です。

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小さい秋と多様性。

霜降を過ぎ、朝夕は肌寒いぐらいの日が続くようになってきました。

ひだまりの中にぬくもりを感じる時など、秋の深まりを感じます。

ぼちぼち関東にも紅葉の声が聞こえてきそうです。

秋晴れの中のハイキングは、とても気持ちがよいですね。

高尾山にも実りの秋が訪れています。

草木は実を結び、様々な色やの種子を見せてくれます。

子孫を残す為のしたたかな戦略か、はたまた偶然の生み出した自然の造形美か

そこには鳥やねずみがいて、実を食べたり体につけたりして種子の散布を結果として助けています。

貯食性のリスやカケスは、森の「植樹者」として知られていますね。

今まさに日本で行われているCOP10

生物の多様性というとどこか遠い話のようですが、様々な生物の織り成す自然の営みこそが「多様性」そのものです。

それぞれに役割があり、生きていることで環境を構成している。また、循環している。

大地・水・空気、当たり前のように享受される賜物は、大小様々な生物によって支えられています。

この機会に、身近な自然を感じてみましょう。様々なことを私たちに囁きかけています。

子供たちと過ごす森の中の一日、秋の恵みから多くの気付きをもらえるはずです。

私たち森林インストラクターは、そんなお手伝いをしています。

恒例になりました「秋の親子観察会」の参加者を募集中です。

http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/takao/pdf/shizenkansatu.pdf

自然観察と共に、自然素材を利用したクラフトも準備しております。

イベントを通じて、人の営みとからの恵みについて何かを感じていただければ幸いです。

http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/takao/pdf/shizenkansatu.pdf

秋といえばドングリ。雑木林・公園でよく目にするもっとも身近な木の実です。

20種以上もあるうち、一部のシイの仲間を除くと、渋みが強くて生で食べられないものが大半を占めます。

これはドングリに含まれるタンニンという物質のためで、有毒です。

考えてみれば、植物の多くは生産者として虫や動物に食べられる宿命にあります。

ですので、多かれ少なかれ自己防衛のための毒をその身に含んでいます。

量が人に害を及ぼさないにしても、虫の小さな体には充分な致死量であるなら食害に合いません。

食べられる野草でも、食べ過ぎるとお腹をこわすのは毒の摂取量が許容量を上回るからです。

アク抜きなどは、まさに毒を取り除くための調理の下準備ですね。

森林浴やセラピーが提唱され、フィトンチッドという言葉をご存知の方も多いかと思います。

そもそもこのフィトンチッド。

フィトンチッドは「植物」を意味する「Phyto」と「殺す」を意味する「cide」から作られた造語で、他の植物や微生物・虫などに対しては有毒です。

樹木同士、虫の食害を受けるとフィトンチッドによって葉の精油成分を対抗性のあるものに変えると共に、周囲の木にも知らせることで同じように自己防衛機能が働きだすことが分かっています。

殺菌作用やリラックス効果があるため、人にとっては有益なものとされています。

もしこのフィトンチッドが、人類にとっても攻撃的に作用するならどうでしょうか?

SFチックな話ではありますが、遠い将来に植物が人を「有害な」種族として防衛策を講じるなら、あり得なくもない話でしょう。

森と人、文明と自然の相克。

何かとギスギスした世の中ですが、自然と共に歩んできた感性を忘れずに育んでいきたいものですね。

秋の親子観察会、参加者募集中です。

http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/takao/pdf/shizenkansatu.pdf

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救急救護

いよいよ8月も末、森林インストラクターの試験も近づいてきました。

脳に詰め込まれた知識が、至るところでつい口をついて出ていることでしょう()

そのぐらいになれば、大丈夫。

血となり肉となって、成果を発揮されることと思います。

森林・林業・野外活動・安全教育と4分野について問われるわけですが、得意・不得意もあって苦労させられます。

以外に、安全教育や野外活動が落とし穴だったりするのですが…

受験者の方にも、この二つのうちどちらかを取りこぼした方が結構いました。

折も折、赤十字の救急法救急員養成講習を受講中なので、この辺に触れてみたと思います。

赤十字救急法とは、罹病・罹災から自分自身を守り、傷病者を正しく救助し、医師などに引き継ぐまでの救命・応急手当のことです。

救命手当…心肺蘇生法(気道確保・人工呼吸・心臓マッサージ)・気道異物の除去・AEDの使用応急手当…きず・骨折・急病の手当、搬送

あくまでも現状の悪化を食い止めるのが目的で、治療ではありません。

医師へ引き継ぐまでの一次処置なのです。

救護する際には、まず自分自身の安全の確保が重要になります。

安全の確保されていない場所へ、むやみに立ち入ることをしてはなりません。

二次災害を起こさない決意と、傷病者救護への信念。

この両方を併せ持つことが求められます。

手当てをした際は、必ず医師の診断を受けるようすすめてください。

当たり前のことですが、死亡の診断は医師がその資格において行うものなので、勝手に判断をしてはなりません。

手当の手順ですが、まず始めに観察をします。「手当ては観察に始まり、観察に終わる」と言われ、 重要な位置づけをされています。

傷病者の周囲の観察により、二次災害の危険を防止します。

同時に、傷病の発生状況・原因および証拠物もよく見る必要があります。

次に傷病者の全身を観察します。

ここで、ただちに手当すべき7つの傷病について挙げます。

意識障害・気道閉塞・呼吸停止・心停止・大出血・ひどい熱傷・中毒

どれも、一目で生命の危険を感じさせますね。

あわせて、生命の徴候もおさらいしておきましょう。

意識・呼吸・脈拍・顔色・皮膚の状態(汗・顔色・乾燥)・手足の反応

傷病者への飲食物ですが、基本的には与えないことです。

意識の無いとき、脳や内臓に損傷がある恐れがあるときや吐き気のあるときは、特に与えてはなりません。

手術の必要があるときもまた、同様です。

意識があり、傷病者が求める場合も口を湿す程度にし、嘔吐による二次事故を起こさないようにします。

ただし、下痢などによって物理的に水分を排出しているときや、ヘビ・ハチ等の毒を受けたり熱傷による水脹れで体の一部に水分が集まる状態では、水を与えます。

気をつけなければならないのが、ショック症状です。

血圧低下により、循環が滞ることで起こる様々な全身の症状をショックと呼びます。

ショックを起こすと、兆候が現れます。

覚えやすく、「ぐあいよそう」と語呂にしてしまうこともあります。結びつけて覚えましょう。

ぐったりしている・虚脱感

あせ(皮膚の状態)→皮膚が冷たく湿った感じ

いきぐるしい(呼吸)→呼吸が速く浅い

よわい脈拍→成人で1分間に60~80回程度が正常。

顔面蒼白(そう)

ショックには原因があります。

まずは適切で迅速な手当てによって原因を除去します。

その後、適切な体位と保温により、ショックの予防に努めましょう。

最近は、感染症による救護者への 危険を防ぐ為に、Qマスクや手袋(ビニール袋での代用可)の使用が奨励されています。

万が一救護をするようになったときは、記録も忘れずに取っておきましょう。

救急隊・医師への引継ぎに役立つだけでなく、二次処置(治療)の参考になることもあります。

救護する立場では、以上のことが心得として挙げられます。

常日頃から定期的なふりかえりや、場合によってはマニュアル化して手元に持つことも必要でしょう。

防災の日も近く、あちこちで講習が開かれることと思います。

ぜひ一度、足を運んでみてはどうでしょうか。

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富士山へ行ってきます。

最近の暑さにへばり、更新が滞っていました。

私の所属します森林インストラクター東京会(FIT)では、高尾山で年4回の親子観察会を行っています。私の同期の仲間が企画・運営を行っている「夏の観察会」の参加者を、募集しております。

夏休みに入り、自然に親しむにはまたとないチャンスです。

ひと夏の貴重な体験が、大きなインパクトとなる少年期。

ぜひ親子のふれあいの場として、また環境学習の場としてご参加いただければと思います。

応募〆切も間近となっております!お急ぎ下さい。

と、かくいう私は完全に登山モードになっております。

今週末に、山岳会のパーティーに混ぜていただき、富士山へ登る予定です。

3000m級の高山帯、御来迎の為の夜間登山…初めてずくしの体験に、胸を躍らせています。

かつては信仰の山だった富士山も、物見遊山の対象になって久しい訳ですが、その影響かトンデモ登山客も増えているようです。

軽装でまだ雪の残る山に登り、あげくに救助を求めた例は記憶に新しいところです

富士山には、山梨側と静岡側から登山道が伸びています。

山梨から吉田口・須走口、静岡から御殿場口・富士宮口と、それぞれの登山口を冠した登山道が山頂へと続きます。

では、それぞれの特徴を見てみましょう。

吉田口…かつての河口湖からスバルラインを抜け、5合目から登ることができる。

交通アクセスが良いことに加え、標高の高いところからスタートでき、またコース上に山小屋も多くトイレの事情も良いので入門コースとして親しまれる。

須走口…最大の特徴は、下山専用路の「砂走り」。砂礫の堆積した下山路を駆けるように下ることができる。靴に入る砂を防ぐスパッツと、砂埃対策のマスクがあると良い。

富士宮口…スカイライン終点から登るルートは、山頂への最短路。唯一下山専用路が無いので、下りでの膝への衝撃からくる負担は大きい。

御殿場口…距離・標高差ともに最も大きいコース。健脚者向き。標高から、森林限界への植生変化が見られるコース。下山専用路の大砂走りは壮大かつ豪快。そのダイナミックさから下山路としての人気が高い。

各登山路に山頂はありますが、真の最高地点は剣ヶ峰。

お鉢巡りがてら、ピークハントへ向かうことになります。

ちなみに私達の取るコースは吉田口。

夕方からのんびり登る御来光プランです。

ここで触れておきたいのは、下界との気温差です。

一般的に、標高100mごとに0.6℃低下すると言われています。

山頂は…約20℃低い計算ですね。

さらに、風速1mにつき体感気温が1℃下がります。加えて、もし雨にでも濡れていたら…

トムラウシの遭難事故を思い出します。

夏山とはいえ、相手は自然そのもの。

濃霧に巻かれることもあれば、落雷の危険もあります。

気象要因・生物要因・地形要因…

登山は、あらゆる危険の待つ自然に身を晒す行為です。

早い段階での適切な対処。

せめて、唯一人がコントロールできる人的危険要因は極力無くしたいものです。

一人一人が登山者としての自覚を持って、行動に当たることが大事ですね。

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熱中症の予防と対策

お久しぶりです。

森林インストラクター試験の募集期間も、残り半月を切ろうとしています。

併せて、森林レクリエーション協会の養成講座も日を同じくしています。

受験・受講をお考えの方は、そろそろ意志を固める時期ですね。

なかなか度胸はいりますが、この一歩から全て始まります。

西の方では、前線が活発で豪雨が多発しており、お気の毒であると同時に被害が心配です。

転じて、梅雨明け間近の関東地方では夏を思わせる暑さが続きます。

まだ体が慣れない方やすでにバテ気味の方もいるかもしれません。

梅雨明け十日。

厳しい夏の日差しに晒されるようになると、増え始まるのが熱中症の発症者。

例年この時期に多発しており、産業界ではすでに注意喚起や教育も行われているようです。

屋外活動がメインの森林インストラクターにとっても、油断ならない季節です。

人の体の60%は水分で占められ、体重の3%の水分が失われると、運動能力や体温調節能が低下します。

熱中症とは、強い日射や高温下における激しい運動や重労働により、過剰な体温上昇のために体温調節のできなくなる症状です。

主な症状と、重篤度をまとめます。

度.

熱失神…体温調節のために表皮の血管が拡張することで、一時的に血圧が低下し、脳への血流量が減少することで起こる。眩暈・立ちくらみ等。

熱痙攣…発汗によるナトリウム欠乏によって起きる筋肉の痙攣や硬直。

こむら返りのように、激しい痛みを伴う場合もある。

度.

熱疲労…頭痛や吐き気を伴い、全身に倦怠感や虚脱感を生じる。

度.

熱射病…体温の上昇により、体内の中枢機能に異常をきたす。

意識障害・痙攣・運動障害が起こり、発汗が止まって異常な高体温になる。

放置すれば、死に至る危険性が高い。

夏の暑さも、気を許せば命に関わる危険性があることを、充分認識する必要があります。

では、熱中症の予防に有効な手段はあるのでしょうか。

適切な休憩とこまめな水分補給、体温上昇防止の措置ですね。

特に炎天下や締め切った室内など、高温化での無理は禁物です。

事情は様々でしょうが、積極的な休憩が望まれます。

水分補給ですが、熱痙攣の例もあるように、発汗によるミネラルの喪失を補う必要があります。ミネラルのバランスが崩れると、生命維持の機能に影響を与えます。水分とともに、スポーツ飲料や塩分の補給で補うようにしましょう。

夏の帽子は必需品です。できれば、首筋も隠れるようなものが効果的です。

直射日光は体力も奪うので、状況によって長袖を着用するなど、体温調節も含めて考えましょう。

吸湿・速乾性に優れた下着も考慮します。

発汗による気化熱の放出は、体温調節に大きな役割を果たします。

何より重要なのは、日頃からの体調管理です。

寝不足や過労の状態では、熱中症の危険度は一気に高まります。

二日酔いなど、もってのほかですね()

アルコールの分解には、水分を必要とします。BEERのおいしい季節ですが、ほどほどに…

発症時の対応ですが、体温を下げるのが基本です。

衣服を緩めたり、木陰などの涼しい場所で休ませます。

首筋や腋下・腿の付け根等の大動脈をアイシングするのも有効です。

自力での摂取が可能なら、水分を与えます。ミネラルの補給も忘れずに。

大切なのは、観察を続けることです。

体温の上昇が続けば、症状の悪化が予想されます。

不測の事態に対応する為にも、発症者を一人にしないことが重要です。

以上の点に気をつけ、安全に楽しい夏を過ごせるようにしましょう。

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tweet

七夕ですね。

織姫・彦星・天の川

はやぶさが小惑星から微粒子を持ち帰るように、宇宙の神秘が解明される現代においても、ついつい空を眺めて一夜の逢瀬を願わずにいられません。

今年の願いごとは、あながちインストラクター試験合格といったところでしょうか?

時間との戦いの中、考える暇は無いと思ってください。

量を書いて、字数感を掴んでおくことをお勧めします。

とにかく、要旨を自分の言葉で「書きなれる」ことが重要です。

短冊に、笹と竹の違いを150字でやめましょう()

恋を語らうのは人だけにあらず。

森の鳥たちのさえずりも、ぼちぼち落ち着きはじめる季節です。

日本で見られた鳥類は約550種。そのうち森林性のものが150種いるといわれています。

そのうち、季節性の移動=渡りをするものを、訪れるシーズンによって夏鳥・冬鳥と呼びます。

一年中見られるものは、留鳥です。

どの鳥にも共通するのは、子育ての期間を除き、単独(あるいは群れ)で行動する点です。

晩春から初夏の時期、鳥たちにとっての恋の季節が始まります。

甘いさえずりは求愛の声。つがいが生まれると交尾・営巣が行われ、巣作り後に産卵・抱卵、やがて羽化の時が訪れます。

生まれた時、すでにある程度羽毛に覆われており、巣から出ることのできる早成性のものと、羽毛が無く巣の中で保護されざるをえない晩成性のものがいます。

雛への給仕(育雛)を経て、やがて巣立ちを迎えます。

独り立ちまでかなりの時間を要する種や、幼鳥を援助しつつ次の繁殖を行う種もあります。

抱卵・育雛期間にも差があり、それに伴い繁殖期にも差があります。

さらに生活の場も樹洞営巣性・樹上営巣性・地上営巣性と様々です。

餌による棲み分けもおこります。

このように、野鳥が種を残し暮らしていくためには、

1つがいがいること

2営巣場所があること

3充分な餌があること

以上の三点が重要であり、それらを満たすには豊かな森林環境が必要であることがお分かりいただけたと思います。

では鳥類は森林内でどのような存在なのでしょうか?

生態系の位置づけでは消費者の立場であり、ピラミッドの上部を占めています。

国内で大型哺乳類の少なくなった今、猛禽類はまさに王者の風格を備えています。

小型の鳥はどうでしょうか?

時として花を啄ばんで落としたりもしますが、主には森林内の虫や木の実を食べています。

虫の多くは葉や幹を食害する森林害虫であり、鳥は天敵として虫の増えすぎを防ぎ、結果として森林を守る働きをしています。

鳥に飲まれた木の実はやがて排泄され、中の種子が糞として散布されます。

液果をつける植物の多くは、これを狙った鳥散布植物であることが多いようです。

キツツキ類は樹木の中に棲む虫を食べるとともに、一部は自ら穴を穿ち巣穴を作ります(一次樹洞営巣鳥類)。もちろん、すでに開いた穴を利用する種もいます(二次樹洞営巣鳥類)

このような巣穴は他の動物にとっても有用な住処であり、森林内の生態系を多様化させるのに役立っています。

キツツキの仲間のように、比較的少数でありながら有用な役割を持ち、生態系にとって影響の大きい種をキーストーンスピーシーズと呼びます。

愛くるしい姿で、大活躍の鳥類。

夏の野山で見かけたら、ちょこっと違う目線で観察してみてください。

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消費者の横顔

梅雨の中休み、というよりは、もうすっかり夏の陽気ですね。

W杯も決勝ト-ナメント進出が決まり、暑さに拍車が掛かるようです。

観戦の寝不足もあり、少々バテ気味の方もおられるかと思います。

朝は以外に涼しいので、体調管理には気を付けたい季節です。

7月に入れば、夏ももう間近。

子供たちにとっては、楽しいシーズンの到来です。

森の中の人気者、昆虫たちにスポットを当ててみましょう。

日本の昆虫は、約10万種いると言われています。

国土の60%以上が森林であるので、そのほとんどが暮らしていると考えてよいでしょう。

食採部位によって、樹木や草の葉、幹、土壌と、大まかに棲み分けております。

では、種としては、どのように分類できるでしょうか。

 

生物の分類は、界・門・綱・目・科・属・種と細分化されており、昆虫の場合は主に目の分類で

考えられています。大きく、

等翅目…不完全変態、シロアリ等。社会性を持つ。胸部のくびれが無く、ゴキブリに近い。

半翅目…不完全変態、セミやウンか等の同翅亜目・カメムシ等の異翅亜目。

鱗翅目…完全変態、蝶や蛾のように、鱗粉に覆われた発達した羽を持つ。

鞘翅目…完全変態、甲虫類。日本には8800種。堅い鞘羽根二枚を持つ。

膜翅目…完全変態、蜂・アリ等を含む。社会性を持ち、天敵から花粉媒介まで幅広い役割を果たす。

双翅目…完全変態、ハエ・アブ・蚊。動植物遺骸・菌類や血液・体液まであらゆるものを利用している。寄生性のものも多い。

では、これらの昆虫は森林でどのような役割を持つのでしょうか。

虫たちも消費者である以上、有機物を利用しています。他の生物(菌類・動植物遺骸や糞等)や、葉を食べるもの、樹木に穿孔するもの、根を食べるもの、樹液や蜜を吸うもの、種子を食べるもの・・・

多様な生活があり、その分他の生物に比べても種が多く存在します。

このうち、植物を食べるものは樹木を利用する人間にとって都合が悪いこともあり、害虫としてのとらえ方をされることもあります。

食べる場所で、食葉性・穿孔性・吸汁性害虫や、キノコ害虫、衛生害虫、乾材・丸太害虫、そして、天敵昆虫のように呼ばれます。

ですが、害虫ばかりなら、森林生態系は破壊されて成り立たなくなります。

森林害虫と呼ばれるものは、およそ200種。これらも人の都合であり、森林の中では植物に対する圧力にもなり、老木の更新や分解者の手助け等、なくてはならない存在です。

さらに、鳥やハチ等の捕食性天敵や寄生バチ・病原菌などが作用し、一部の種が増えすぎることを防いでいます。

樹木もまた、タンニンやフェノールといった科学的防御物質によって自身の身を守ることが分かり始めました。

植物の受粉の手助けをする送粉者(ポリネーター)としての役割や、病原菌を食べたり種を運んだりと多くの昆虫は有益な作用をしています。

さらに、小動物たちにとっての貴重な餌として食べられ、さらに遺骸や糞の分解を助けるものがいたりと、様々な働きをしています。

土に眼を落とせば、足元には片足ほどの広さに1000頭の虫がひしめいています。

このほとんどはダニやトビムシといった小さな生き物です。樹木の落葉落枝は彼らに噛み砕かれながら、やがてこなごなになって菌類等の分解者へと引き継がれていきます。

このように、虫は森林で様々な生活体系を取りながら、隅々まで行き渡って栄養を届け老廃物を除去する役割をになっており、森の血液ともいえる存在なのです。

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話術心得

関東地方も梅雨入りし、鬱陶しい時期になりますね。

更新が滞った間にも、刻々と四季が過ぎていくのを感じます。

首相の辞任にW杯開催と、世間も賑わっております。

日本も一勝目を挙げ、もりあがりを見せています。

はやぶさの帰還は耳目を集め、大きく光の尾を引き最後には感動すらおぼえました。

砂の採取成功へ、大きな成果が期待されています。

最近、出かける機会が劇的に増え、同時に多くの方と話す事も自然と多くなりました。

仲間内や初対面の方、目上の方からお子さんまで、色んな方と接するようになりました。

直接的であれ間接的であれ、人前で話すのはなかなか勇気のいるものです。

経験こそないものの、それがご案内している相手ともなれば、なおのことでしょう。

「インストラクターとしての、話し方。」

そういったものがあるとすれば、どのようなものでしょうか。

まず求められるのは、相手に伝わる話し方であることですね。

その為には、言葉を聞き取りやすい事が第一です。

「パ」行は唇、「タ」行は舌、「ガ」行は喉と、発音をしっかりするにも意識の仕方が違います。

よく通る声であることも大事です。大きな声ではなく、響く声であることがミソです。

発声は勿論ですが、風上に立ったり遮蔽物を背にしたりといった、状況に応じた工夫も必要でしょう。

物怖じせず、堂々と話すことも大事です。

おどおどしているだけでも、説得力に欠ける印象を与えてしまいがちです。人前でも自信を持って話すためには、何が必要でしょうか。

まず必要なのは、充分な準備です。

これは丸覚えではなく、自分の言葉として、考えとして伝える準備です。

専門的知識・技術・経験に支えられた自分の考えは、血の通った自分の言葉として自然と口をついて出てくるものです。

話すことに集中する事も必要です。見られていることを意識すれば、緊張しやすくなります。

ですので、少なくとも身だしなみで遅れを取ることの無いようにするのは最低限の準備でしょう。

そのうえで、良い意味での自然体で臨みます。

どうがんばっても今以上自分は見せられないのですから、変に飾らず素直な自分を出してしまったほうがボロは出ません。

自己を開示する事はちょっと勇気も要りますが、参加者との良好なコミュニケーションを取る上でも大切な事です。

失敗談にこそ貴重な経験が隠れている場合もありますし、またそういった弱みを見せられると親近感も沸いてきます。

私が失敗しても、誰も質問したりしません。失敗したのを知ってるのは、本人だけですから。

話をする上で「聞いてもらう事」が前提になるわけですが、人を引き付ける工夫について考えてみましょう。

まず、相手とのコンタクトは視線ではじまります。

目を逸らす人の話は、どうも伝わってこない。そんな経験はないでしょうか。

やはり、人に見てもらいたければこちらからしっかりと視線を向ける事が必要です。

話のリズムは、間で生まれます。

つい沈黙を恐れがちになりますが、上手な間は相手に考える時間を与え、また強調や注意を引き付ける効果も時には発揮します。

視線の移動とあわせ、段落を意識して反応を確かめながら話を進められれば最高です。

ジェスチャーを加える事も、話を伝えやすくします。

人は耳よりも視覚に訴えたほうが、より印象に残ります。

昔から言うところの、「百聞は一見にしかず」というものですね。

指示や数を表すときは指に視線を移し、聞き手を手先に誘導します。

体の巾より大きい身振りにするのもコツです。

間を取るのにも応用できますので、積極的に取り入れてみてください。

最後に、姿勢についてです。

背筋を伸ばす、歩調を大きく。この辺は基本ですね。

ここでは、内面的なものについてです。

目を開いて眠っている人を起こすのは、最も難しい。

知らない事を教える事は、知識を有する人ならさして難しくない事です。

ですが、これを気付いていただくのはなかなか大変です。

分かっているつもりでもきちんと理解していないことが多々あるように、それを伝える事は容易ではありません。

自己開示のところでもお話したように、なかなか自分の非を認めるのは辛い事です。

「愛するものを笑って、なお愛し続ける能力。」

心理学者オルポールによる、ユーモアの定義です。

笑いには二つの側面があり、他社を傷つける鋭い面も持ちます(ウイット)

同時に、暖かく人を包む優しさも持ち合わせているものです(ユーモア)

ユーモアのセンスを持ち合わせた、味のある話ができるようになりたいものですね。

その為にも、他社への敬意と自己への反省を忘れず、誰からも学ぶ姿勢を忘れずにを持ち続けたいと思います。

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